けやぐ柳会のさしチャンこと京子さんのご実家である内田家は、江戸時代から商店を営んでいた旧家である。
その内田家三代目の守一氏と鳥類学者であった七代目の清之助氏(京子さんの祖父)が蒐集したという絵短冊は内田コレクションとして400点ほどあり、そのうちの一部が『絵短冊十二ヶ月〜四季の花鳥風詠』(芸艸堂)という画集にまとめられて出版されたことは、以前こちらで紹介させていただいた。
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その内田コレクションが世田谷美術館(冒頭画像)に寄贈されたことは伺っていたが、現在、同館の「世田谷の文人たち」という企画展でその内田コレクションの一部が展示されている。
この企画展は、1月25日(土)から4月20日(日)までのおよそ3か月間、同館収蔵の文人画、文人的気質を感受できる作品を紹介するという趣旨のもとに行われているという。
同館の資料によれば、「文人画」は中国絵画から派生し、日本では南宋画を中心に、明清絵画の諸様式を取り入れた「南画」と呼ばれる独自の画風として展開したものだそうだ。
江戸時代の池大雅、谷文晁が代表的存在で、「写実」よりも「写意」を重んじるのがその画風の特徴で、精神の自由な動きが画面に横溢し、やがて明治、大正、昭和と時代が下るにつれて、文学の領域ともつながりながら、洋画家へも影響を与えるようになった由である。
一方、絵短冊を簡単にいえば、鎌倉時代の末頃から始まった和歌を書く色紙のようなものに、やがて細長い料紙に金銀箔をおいたりしながら、華やかで変化に富んだものが生まれ、いつしか和歌を書くのみではなく、絵を描く素材としても使われるようになったものである。
画像が非常に小さくて申し訳ないが、同館資料にあった内田コレクションの画像をご紹介しておく。
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(左:谷文晁 右:小川芋銭 いずれも内田コレクション)
同コレクションには、江戸時代の酒井抱一、谷文晁、歌川広重から現代の大家、川合玉堂、川端龍子、前田青邨、伊東深水、武者小路実篤等、綺羅星のような画家のものがずらりと並んでいる。
いずれも、心を和ませるヒーリングの絵画、小宇宙というべきものである。
昨今流行の絵手紙の原型のようなものかという印象もあるが、元々和歌との関連性が強いところからより文学的な世界に近いものである。
そういうところが「文人画」と軌を一にするものがあるのだろう。
また、文人画の作家の中にも、内田コレクションの絵短冊を描いた者もいるのだ。
世田谷に縁の深い作家たちの文人画、文人的気質の作品とともに、内田コレクションをはじめとした絵短冊の世界の一端を出来る限り多くの人に見ていただければ幸いである。
白壁にやたら絵心湧いてくる(蚤助)
さて、始めるのも止めるのもチョー簡単というブロガーになったのが2008年4月のことで、この4月で丸6年になる。
大した目標もなく音楽、映画、川柳その他の駄文を綴ってきたが、今回が600回めである。
しからば、次の目標は700回を目指してということになるのだろうか。
これまで続けてこれたのも「けやぐの広場」を訪問・散策してくださる読者の皆様のおかげ、感謝、感謝である。
その内田家三代目の守一氏と鳥類学者であった七代目の清之助氏(京子さんの祖父)が蒐集したという絵短冊は内田コレクションとして400点ほどあり、そのうちの一部が『絵短冊十二ヶ月〜四季の花鳥風詠』(芸艸堂)という画集にまとめられて出版されたことは、以前こちらで紹介させていただいた。

その内田コレクションが世田谷美術館(冒頭画像)に寄贈されたことは伺っていたが、現在、同館の「世田谷の文人たち」という企画展でその内田コレクションの一部が展示されている。
この企画展は、1月25日(土)から4月20日(日)までのおよそ3か月間、同館収蔵の文人画、文人的気質を感受できる作品を紹介するという趣旨のもとに行われているという。
同館の資料によれば、「文人画」は中国絵画から派生し、日本では南宋画を中心に、明清絵画の諸様式を取り入れた「南画」と呼ばれる独自の画風として展開したものだそうだ。
江戸時代の池大雅、谷文晁が代表的存在で、「写実」よりも「写意」を重んじるのがその画風の特徴で、精神の自由な動きが画面に横溢し、やがて明治、大正、昭和と時代が下るにつれて、文学の領域ともつながりながら、洋画家へも影響を与えるようになった由である。
一方、絵短冊を簡単にいえば、鎌倉時代の末頃から始まった和歌を書く色紙のようなものに、やがて細長い料紙に金銀箔をおいたりしながら、華やかで変化に富んだものが生まれ、いつしか和歌を書くのみではなく、絵を描く素材としても使われるようになったものである。
画像が非常に小さくて申し訳ないが、同館資料にあった内田コレクションの画像をご紹介しておく。


(左:谷文晁 右:小川芋銭 いずれも内田コレクション)
同コレクションには、江戸時代の酒井抱一、谷文晁、歌川広重から現代の大家、川合玉堂、川端龍子、前田青邨、伊東深水、武者小路実篤等、綺羅星のような画家のものがずらりと並んでいる。
いずれも、心を和ませるヒーリングの絵画、小宇宙というべきものである。
昨今流行の絵手紙の原型のようなものかという印象もあるが、元々和歌との関連性が強いところからより文学的な世界に近いものである。
そういうところが「文人画」と軌を一にするものがあるのだろう。
また、文人画の作家の中にも、内田コレクションの絵短冊を描いた者もいるのだ。
世田谷に縁の深い作家たちの文人画、文人的気質の作品とともに、内田コレクションをはじめとした絵短冊の世界の一端を出来る限り多くの人に見ていただければ幸いである。
白壁にやたら絵心湧いてくる(蚤助)
さて、始めるのも止めるのもチョー簡単というブロガーになったのが2008年4月のことで、この4月で丸6年になる。
大した目標もなく音楽、映画、川柳その他の駄文を綴ってきたが、今回が600回めである。
しからば、次の目標は700回を目指してということになるのだろうか。
これまで続けてこれたのも「けやぐの広場」を訪問・散策してくださる読者の皆様のおかげ、感謝、感謝である。