ヒット曲を一発出して消えてしまった歌手は多い。もっともヒット曲を一つも出せずに消えて行った泡沫歌手の方が圧倒的に多いだろう。一発でもヒット曲を出せただけでもまだ幸せな歌手というべきかもしれない。
「太陽に歌って」(We'll Sing In The Sunshine)という自作のフォーク・ソングを歌ってグラミー賞まで受賞したゲイル・ガーネットもそんな一人だ。
ニュージーランドのオークランド生まれで子供のときに家族とともにカナダに移住した彼女は、女性としては太く低めのよく響く声だったが、これが細くて可憐な声の持ち主であったなら、おそらくこの歌がヒットすることはなかったのではないかと想像する。
WE'LL SING IN THE SUNSHINE (1964)
(Words & Music by Gale Garnett)
We'll sing in the sunshine, we'll laugh every day
We'll sing in the sunshine, and I'll be on my way
I know I'll never love you, the cost of love's too dear
But through I'll never love you, I'll stay with you one year
We'll sing in the sunshine, we'll laugh every day
We'll sing in the sunshine, and I'll be on my way
I'll sing to you each morning, I'll kiss you every night
But darlin' don't cling to me, I'll soon be out of sight…
私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう
そうして私は自分の道を歩んでいくでしょう
あなたを愛するようにならないことは知っている 愛は高くつくから
あなたを愛することにはならないけれど 一年は一緒にいましょう
私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう
そうして私は自分の道を歩んでいくでしょう
毎朝あなたに歌ってあげましょう 毎晩あなたキスしてあげましょう
でも私につきまとうことはしないで もうすぐ私は消えてしまうのだから…
以下「父が私に言ったことがある。人を愛しすぎてはダメ、人から受け取れるものだけもらい、お前が与えられるものだけ与えるように、と。そうして一年過ぎて、私はそこから去った。あなたは私のことを時々思い出してこんな風に言うだろう。私たちは毎日太陽の光の中で歌って笑った。そうしてそれぞれの道を歩いて行った」と歌われる。
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64年のファースト・アルバムの中からシングルとしてリリースされたこの歌は、当時結構な人気曲だった記憶があるのだが、今改めて聴いてみるとフォーク・ソングというよりもカントリー色の濃い、内容にも意外性のある歌だったことがわかる。
「私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう」と明るく歌い出しながら、中身は別れ話なのだ。
ある日、現れた放浪者と思しき女性がしばらく(1年間限定)一つ場所にとどまり、太陽の下で明るく歌い過ごしながら、恋に落ちることもなく(笑)、また何処かへ去っていくという歌である。
他人を励ますくらいのことはしても、その人の人生に深くは関わらない、人と人との関わりに一定の距離を保つ、現代人の一面を描いているようなところもあって、明るい曲調の中に若干の苦みや渋みが効いているといえないこともない。
わずか3分足らずの短い歌にしては4コーラスもある物語になっている。
この曲の後、彼女はサイケデリックを志向したり、女優業に転向、テレビドラマ(懐かしき「ボナンザ」「サンセット77」「ハワイアン・アイ」等)や映画に出演したりしていたようだ。その後は一時芸能界から引退、エッセイや小説などの執筆活動を続けていたようだが、最近、といっても2002年だが、ジョエル・ズウィック監督の映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(My Big Fat Greek Wedding‐2002)の出演者の中に彼女の姿があった。
彼女のような人生も「一発屋」という言葉でひとくくりするのは少し抵抗のある蚤助である。
日光浴やがて干物になっていく 蚤助
「太陽に歌って」(We'll Sing In The Sunshine)という自作のフォーク・ソングを歌ってグラミー賞まで受賞したゲイル・ガーネットもそんな一人だ。
ニュージーランドのオークランド生まれで子供のときに家族とともにカナダに移住した彼女は、女性としては太く低めのよく響く声だったが、これが細くて可憐な声の持ち主であったなら、おそらくこの歌がヒットすることはなかったのではないかと想像する。
WE'LL SING IN THE SUNSHINE (1964)
(Words & Music by Gale Garnett)
We'll sing in the sunshine, we'll laugh every day
We'll sing in the sunshine, and I'll be on my way
I know I'll never love you, the cost of love's too dear
But through I'll never love you, I'll stay with you one year
We'll sing in the sunshine, we'll laugh every day
We'll sing in the sunshine, and I'll be on my way
I'll sing to you each morning, I'll kiss you every night
But darlin' don't cling to me, I'll soon be out of sight…
私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう
そうして私は自分の道を歩んでいくでしょう
あなたを愛するようにならないことは知っている 愛は高くつくから
あなたを愛することにはならないけれど 一年は一緒にいましょう
私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう
そうして私は自分の道を歩んでいくでしょう
毎朝あなたに歌ってあげましょう 毎晩あなたキスしてあげましょう
でも私につきまとうことはしないで もうすぐ私は消えてしまうのだから…
以下「父が私に言ったことがある。人を愛しすぎてはダメ、人から受け取れるものだけもらい、お前が与えられるものだけ与えるように、と。そうして一年過ぎて、私はそこから去った。あなたは私のことを時々思い出してこんな風に言うだろう。私たちは毎日太陽の光の中で歌って笑った。そうしてそれぞれの道を歩いて行った」と歌われる。

64年のファースト・アルバムの中からシングルとしてリリースされたこの歌は、当時結構な人気曲だった記憶があるのだが、今改めて聴いてみるとフォーク・ソングというよりもカントリー色の濃い、内容にも意外性のある歌だったことがわかる。
「私たちは陽の光の中で歌い、毎日笑顔で過ごすでしょう」と明るく歌い出しながら、中身は別れ話なのだ。
ある日、現れた放浪者と思しき女性がしばらく(1年間限定)一つ場所にとどまり、太陽の下で明るく歌い過ごしながら、恋に落ちることもなく(笑)、また何処かへ去っていくという歌である。
他人を励ますくらいのことはしても、その人の人生に深くは関わらない、人と人との関わりに一定の距離を保つ、現代人の一面を描いているようなところもあって、明るい曲調の中に若干の苦みや渋みが効いているといえないこともない。
わずか3分足らずの短い歌にしては4コーラスもある物語になっている。
この曲の後、彼女はサイケデリックを志向したり、女優業に転向、テレビドラマ(懐かしき「ボナンザ」「サンセット77」「ハワイアン・アイ」等)や映画に出演したりしていたようだ。その後は一時芸能界から引退、エッセイや小説などの執筆活動を続けていたようだが、最近、といっても2002年だが、ジョエル・ズウィック監督の映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(My Big Fat Greek Wedding‐2002)の出演者の中に彼女の姿があった。
彼女のような人生も「一発屋」という言葉でひとくくりするのは少し抵抗のある蚤助である。
日光浴やがて干物になっていく 蚤助