恋が「悪魔」にたとえられるのは、珍しい事ではない。
周囲が見えなくなってしまって悶々と苦しむ恋心というのは、きっと悪魔の仕業に違いないというわけだろう。
ビリー・ホリデイの名唱がある“That Ole Devil Called Love”(恋とよばれる悪魔)は、恋を悪魔だと断じているし、恋心を悪魔の月にたとえた“Old Devil Moon”など、スタンダード曲のタイトルもそのことを如実に表わしている。
その悪魔というのは、結構マメなようであちこちに出没するようだ。
これに憑かれてしまうと大変、いろいろな症状が表れてくる。
祈祷師であろうと、悪魔祓い(エクソシスト)であろうと、陰陽師を連れてきても歯が立たないだろう。
例えば“Day In, Day Out”という曲である。
Day in, day out
The same old voodoo follows me about
The same old pounding in my heart whenever I think of you
And darling, I think of you, day in and day out…
明けても暮れても 同じヴ―ドゥー(魔教)がつきまとう
君を思うだけで ドキドキする
そうさ 明けても暮れても 君のことばかり考えている
暮れても明けても 一日がどう始まるか 君に言う必要はないけど
目覚めるときは ちょっと考えてしまう 君を見かける可能性なんかを
降っても晴れても 君と会えたらそれが良い日
キスをしたなら 大海原の唸り 千の太鼓のような激しい動悸が起こる
これは恋だと思わないか それは疑問の余地もない
こうして 一日が明け 一日が暮れていく…
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どうみても愛の告白なのに、よせばいいのに自己分析などをして、「これは恋だと思わないか?」と言ってしまうのである。
どうやら頭がぼんやりして、熱にうなされているのかもしれぬ。
かなりの重症らしい、南無阿弥陀仏。
作詞ジョニー・マーサー、作曲はルーブ・ブルーム。
1939年にマーサー自身がベニー・グッドマン楽団のラジオ番組で発表したものだが、主にビッグバンドのレパートリーとして取り上げられた。
こちらは、ビリー・ホリデイの歌だが、他のスタンダード同様、この歌もビリーが歌ったことにより現在も歌い継がれるようになった。
晩年に近い57年の録音で、30〜40年代の若々しい溌剌とした歌唱と比べるとさすがに声は荒れているが、ベン・ウェブスター(ts)、ハリー・エディソン(tp)、ジミー・ロウルズ(p)、バーニー・ケッセル(g)、レッド・ミッチェル(b)、アルヴィン・ストーラー&ラリー・バンカー(ds)という錚々たるメンバーを従えて、寛いだ表情で余裕の歌唱を聴かせる。
この後、フランク・シナトラとナット・キング・コールが、この曲を再評価してレパートリーに採り入れリバイバルさせた。
まずは、シナトラの歌唱がこちら、伴奏はビリー・メイの編曲・指揮によるビッグバンドである。
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(Frank Sinatra/Come Dance With Me‐1959)
続いて、ナット・コールの歌唱がこちら、テレビ番組の画像らしいが、詳細は不明である。
シナトラにしてもコールにしても、よくスウィングするビッグバンドを伴奏に歌っているのが面白い。
ところで、タイトルの“Day In, Day Out”について書き忘れた。
原義「一日が始まり、一日が終わる」というところからきたイディオムで「明けても暮れても」「来る日も来る日も」「絶えず」という意味である。
“Day In And Day Out”と記されることもある。
“Year In, Year Out”という言い方もあり、この場合は「年がら年中」「毎年決まって」「しゅっちゅう」とかの意味である。
またひとつ、賢くなったね…。
さて、蚤助の“Day In, Day Out”はというと…
いつも損ばかりするボク割と好き (蚤助)
周囲が見えなくなってしまって悶々と苦しむ恋心というのは、きっと悪魔の仕業に違いないというわけだろう。
ビリー・ホリデイの名唱がある“That Ole Devil Called Love”(恋とよばれる悪魔)は、恋を悪魔だと断じているし、恋心を悪魔の月にたとえた“Old Devil Moon”など、スタンダード曲のタイトルもそのことを如実に表わしている。
その悪魔というのは、結構マメなようであちこちに出没するようだ。
これに憑かれてしまうと大変、いろいろな症状が表れてくる。
祈祷師であろうと、悪魔祓い(エクソシスト)であろうと、陰陽師を連れてきても歯が立たないだろう。
例えば“Day In, Day Out”という曲である。
Day in, day out
The same old voodoo follows me about
The same old pounding in my heart whenever I think of you
And darling, I think of you, day in and day out…
明けても暮れても 同じヴ―ドゥー(魔教)がつきまとう
君を思うだけで ドキドキする
そうさ 明けても暮れても 君のことばかり考えている
暮れても明けても 一日がどう始まるか 君に言う必要はないけど
目覚めるときは ちょっと考えてしまう 君を見かける可能性なんかを
降っても晴れても 君と会えたらそれが良い日
キスをしたなら 大海原の唸り 千の太鼓のような激しい動悸が起こる
これは恋だと思わないか それは疑問の余地もない
こうして 一日が明け 一日が暮れていく…

どうみても愛の告白なのに、よせばいいのに自己分析などをして、「これは恋だと思わないか?」と言ってしまうのである。
どうやら頭がぼんやりして、熱にうなされているのかもしれぬ。
かなりの重症らしい、南無阿弥陀仏。
作詞ジョニー・マーサー、作曲はルーブ・ブルーム。
1939年にマーサー自身がベニー・グッドマン楽団のラジオ番組で発表したものだが、主にビッグバンドのレパートリーとして取り上げられた。
こちらは、ビリー・ホリデイの歌だが、他のスタンダード同様、この歌もビリーが歌ったことにより現在も歌い継がれるようになった。
晩年に近い57年の録音で、30〜40年代の若々しい溌剌とした歌唱と比べるとさすがに声は荒れているが、ベン・ウェブスター(ts)、ハリー・エディソン(tp)、ジミー・ロウルズ(p)、バーニー・ケッセル(g)、レッド・ミッチェル(b)、アルヴィン・ストーラー&ラリー・バンカー(ds)という錚々たるメンバーを従えて、寛いだ表情で余裕の歌唱を聴かせる。
この後、フランク・シナトラとナット・キング・コールが、この曲を再評価してレパートリーに採り入れリバイバルさせた。
まずは、シナトラの歌唱がこちら、伴奏はビリー・メイの編曲・指揮によるビッグバンドである。

(Frank Sinatra/Come Dance With Me‐1959)
続いて、ナット・コールの歌唱がこちら、テレビ番組の画像らしいが、詳細は不明である。
シナトラにしてもコールにしても、よくスウィングするビッグバンドを伴奏に歌っているのが面白い。
ところで、タイトルの“Day In, Day Out”について書き忘れた。
原義「一日が始まり、一日が終わる」というところからきたイディオムで「明けても暮れても」「来る日も来る日も」「絶えず」という意味である。
“Day In And Day Out”と記されることもある。
“Year In, Year Out”という言い方もあり、この場合は「年がら年中」「毎年決まって」「しゅっちゅう」とかの意味である。
またひとつ、賢くなったね…。
さて、蚤助の“Day In, Day Out”はというと…
いつも損ばかりするボク割と好き (蚤助)